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飲食業界で年間2000億円の損害 「無断キャンセル」が増加するワケ

『銀座 瀬里奈』では、「カタコトの日本語で明らかに外国人なのに日本名を名乗る人もよくキャンセルします」(支配人)という

『銀座 瀬里奈』では、「カタコトの日本語で明らかに外国人なのに日本名を名乗る人もよくキャンセルします」(支配人)という

 しゃぶしゃぶやすき焼きをメインに供する『銀座 瀬里奈』支配人の田坂信介さんも、無断キャンセルに顔をしかめる。

「たとえば2万円のコースを予約されたお客様10名が来店されなければ、単純計算で20万円の被害です。また、別のお客様をお断りしているぶんも損失ですし、フロント・接客係・料理人などの士気も下がってしまいます」

 物理的な損害ももちろんだが、ポッカリと空いてしまった席を見た飲食店員たちが共通して味わわされるのは、「心が折れるような、やるせない気持ち」だという。

「キャンセルすることに抵抗がない」

 店側のそうした苦悩に反して、無断キャンセルする客の気持ちは軽々しい。グラフをご覧いただきたい。「とりあえず場所確保のために予約した」「天候が悪く、外に出るのが億劫になった」「当日になって食べたいものが変わった」等々、どの理由も自己中心的で無責任極まりない。

 こうした無断キャンセルが横行する背景には何があるのか。レストランの予約・顧客管理システムを飲食店に提供している『テーブルチェック』社の仁木有花さんが言う。

「予約時にクレジットカードの情報を求められる飛行機やホテルの予約と比べ、そこまでの情報を求めない飲食店予約では無断キャンセルが発生しやすいのです」

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