田代尚機のチャイナ・リサーチ

韓国、日本の輸出管理強化で中国から調達試みるも代替は困難か

 2017年における韓国の貿易依存度(輸出入金額/名目GDP、UNCTADより)は67.6%で、中国の32.3%、日本の27.4%、アメリカの20.0%と比べると、飛びぬけて高い。韓国は貿易を経済発展の大きなエンジンとする国家であることがわかる。

 しかし、韓国が貿易立国であるのは、グローバルに開かれた自由な貿易が確保された上でのことであり、韓国は本来、政治的には全方位外交が求められる国家である。

 文在寅大統領はこうした世界における韓国の基本的な位置付けを理解していないように見える。市民運動や、人権運動は尊いが、経済が破綻してしまえばそれどころではない。韓国のこの厳しい現状は、国民が経済、外交に精通していない文在寅氏を大統領に選んでしまったことによる必然的な結果であるように思う。

 日本で韓国に厳しい政権が続く限り、韓国経済はしばらくの間、逆風が吹きすさぶことになりそうだ。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。