近頃は「いきなり!ステーキ」に代表される量り売りの新興ステーキチェーンが人気となっているが、国内で展開するステーキチェーンと言えば、もともとはファミリーレストランタイプが主流だった。外食チェーンに詳しいフリーライターの小浦大生氏はこう説明する。
「『ステーキのどん』や『ステーキハンバーグ&サラダバーけん』など、主に幹線道路沿いに店舗を構えるチェーンが多く、自家用車で来店するファミリー層がメインターゲットでした。このファミレスタイプのステーキチェーンの先駆けとなったのが、『フォルクス』です」
1970年にスーパーマーケットのダイエーの外食事業として1号店がオープンしたフォルクス。現在は吉野家ホールディングスの傘下となり国内40店舗を展開している。
「フォルクスの最大の特徴は、すべてのメイン料理にサラダバーがついていること。ステーキを楽しむだけでなく、お好みのサラダをたっぷり楽しめるという点が人気の理由となっています」(小浦氏)
フォルクスの大ファンだという都内在住の会社員の男性Aさん(30代後半)は、こう話す。
「フォルクスに行く最大の目的は、サラダバーです。野菜をたっぷり食べたい時は、必ずフォルクスに行きます。さらに、セットメニューでスープバーとブレッドバーも頼むので、とにかくいろいろなものをお腹いっぱい食べられます」
フォルクスの定番メニューとなっている「スペシャルディナーセット」の「スペシャルロインセット 熟成サーロインステーキ200g (3種のバー&ドリンク付き)」は3080円(税抜き、以下同)だ。この価格で、200gのサーロインステーキに、サラダバー、スープバー、ブレッドバー、ドリンク1杯がついてくる。
「1回の食事で3000円以上かけるのは高いような気もしますが、サラダを好きなだけ食べられるということやドリンク込みであることを考えると、コスパは悪くないのではないでしょうか。サラダバーには、ポテトサラダやフルーツなんかもあって、味の変化も楽しめます。パンの種類も豊富だし、タイミングによっては焼き立てを食べられることもある。スープも3種類くらいはあって、飽きません。
普通のファミレスで本当にお腹いっぱい食べようとすると、結局3000円くらいは余裕で超えてしまいますからね。コスパがいいという感覚です」(Aさん)