就業構造基本調査(2017)を元に年収別に50歳時の未婚率を分析した荒川和久氏(『超ソロ社会』『ソロエコノミーの襲来』著者)によれば、男性では年収が低いほど未婚率が高く、年収が上がるにつれ既婚者が増えていく。年収300万円未満では3割、200万円未満では4割が未婚のままだが、年収600万円以上で約9割、1000万円を超えると95%が一度は結婚している。
高収入の共働き世帯は、定年後も「長く働く、いっしょに働く」ことができる。その一方で、一人暮らしのまま乏しい年金だけを頼り生きていく膨大な数の孤独な高齢者がいる。
◆橘玲(たちばな・あきら):1959年生まれ。作家。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎文庫)、『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)などベストセラー多数。新刊『上級国民/下級国民』(小学館新書)が話題。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号