また、「自宅」も見直しの選択肢だ。転居して賃貸で暮らす資金がなくて、持ち家から出られない貧困高齢層が膨大に存在しているが、少しでも長く働いて収入を増やし、さらに支出を削って余裕資金ができれば、「住まいのダウンサイジング」も検討しやすい。
「郊外の一戸建てなど、子供が巣立った後に老夫婦で暮らすには広すぎる自宅は、老後も持ち続けているとイザという時に買い手のつかない“負動産”となるリスクもある。思い切って一戸建てを売り払い、都会の賃貸マンションに引っ越したほうが身軽です」(森田氏)
持ち家に閉じ込められる「下級生活」に陥らないためにも、定年後は収入だけでなく支出をゼロベースで見直したい。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号