毎月5万円のマイナス
山田氏の年金受給額(厚生年金)は毎月14万5508円で、専業主婦だった妻の国民年金は月5万6731円。対して毎月の総支出は25万555円。およそ月に5万円が貯蓄から削られている計算だ。
住まいは結婚直後に35年ローンで購入したマイホーム。すでにローンは完済している。「家計調査」によると、65歳以上(2人以上世帯)の持家率は92.6%だ。
山田家では毎月の食費に7万922円を使う。食生活は月に1度、なじみの寿司屋に夫婦で行くのが唯一の贅沢で、普段はスーパーのおつとめ品ですませることも多い。
山田家の毎月の光熱・水道費は2万2063円。梅雨が終わって猛暑となった最近は、クーラーが欠かせない。熱中症や風邪予防のためにも、空調は節約しすぎないようにしている。
固定電話や携帯電話、お中元やお歳暮の配送料などの通信費は月8968円だ。毎朝、読んでいる新聞や書籍・印刷物に月3853円を使っている。衣服・履物代は月に7374円かかる。ファッションにこだわりがあるわけではないが、妻はなにかと買い足している。スーツを着なくなった山田氏も冠婚葬祭の礼服購入などが増えていた。
さらに床屋での散髪とたまの銭湯利用(理美容サービス)に月2943円を支払っている。月の保健医療費は1万5099円かかる(ここまではいずれも前出「家計調査」より)。
60歳でセミリタイアしてからは、大病はないものの、ちょっとした風邪や腰痛が治りにくくなった。
年間にかかる入院費は16万4945円で、通院費は16万8832円。年間の薬代(調剤費)は8万3863円である(いずれも厚生労働省保険局調査課「医療保険に関する基礎資料~平成28年度の医療費等の状況~」をもとに、65歳~69歳の数値を編集部で試算した)。
病院には年間17日ほど通い、今年は肺炎を患い念のため4日ほど入院した。