ある週末、結婚して隣町に住む長女(38)が5歳と3歳になる孫を連れてふらっと現われた。
「夏休みにこの子たちを海に連れていきたいのよね」。そうつぶやく娘の表情を見て何かを察知した山田氏は、「これ、少ないけど……」と2万円の入った封筒を手渡した。
ソニー生命が実施した「シニアの生活意識調査2018」が、孫のために出費があったシニア(50~79歳)の男女に1年間で使った金額を尋ねると、「5万~10万円未満」が最も多く、孫への出費の平均は12万8269円だった。
具体的な使い道は「おこづかい・お年玉・お祝い金」(75.1%)がトップで、「一緒に外食」(53.1%)「おもちゃ・ゲーム」(41.2%)が続いた。
山田氏は孫を目に入れても痛くないほどかわいがり、平均すると月に1万円以上を孫のために使ってしまうのだ。来年には小学校に進学するため、娘からはランドセルや学習机の購入を相談されている。
ただし、最近は「孫疲れ」との言葉もある。前出の「シニアの生活意識調査2018」が孫のいるシニアに「孫の勉強の世話をしたいか」と尋ねると「したくない」(48.1%)が「したい」(28.8%)を大きく上回った。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号