片づけブームで、不要な物を捨ててシンプルな生活を目指す人が増えている。近年では、必要最小限の持ち物でシンプルに暮らす「ミニマリスト」なる生き方も登場するなど、モノを持たない生き方が浸透しつつある。一方で、モノを減らしすぎたあまり、以前と同じようにモノを買い集めてしまったり、物欲がコントロールできなくなったりする「リバウンド」を経験する人も多いという。
服を捨てすぎた結果、服を買い戻すことに
30代の女性・Aさんは、夫婦そろってリバウンドを経験中の一人だ。片づけにハマったきっかけは、動画配信プラットフォーム・Netflixで放映された「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」。片付けコンサルタントの「こんまり」こと近藤麻理恵さんが、訪問した家を片付けることに空間プロデュースするという内容で、世界中で話題となった番組だ。
Aさんの家庭の場合、Aさんよりも夫の方がハマった。
「今まではまったく家事を手伝わなかった旦那が『KonMari』をきっかけに、片づけに目覚めました。特に集中的にやったのは、クローゼットの中に眠っていた衣類。こんまりさんと同じように一つ一つ手にとって、『ときめきを感じる服』だけを残して、ゴミ袋10袋分の服を捨てました。部屋の中もシンプルで綺麗になり、気持ちもすっきりしましたね」
家の中は一次的に片付いたため、断捨離直後は充足感を感じていたが、次第に後悔するようになったとAさんは語る。
「古い服を処分できたのは良かったのですが、捨てまくった結果、夫婦ともども、ちょっとしたお出かけに着られる服がなくなってしまいました。今では、大事な洋服を軽々と捨てたことを後悔しながら、似たようなモノを買い戻しています」
捨てた結果、「気が大きくなって浪費」
40代の女性・Bさんは、収納スペースに入らないモノが増えたことを機に片づけを決意。特に、不要品が溜まりやすいキッチンを中心に物を捨てていった。