基本的に、豪ドルの政策金利引き下げは、「豪ドル売り」の材料である。ゆえに外国為替市場では、「豪ドル売り円買い」「豪ドル売り米ドル買い」で臨むスタンスが主流となるだろう。
なお、目先の豪ドル相場は、米中の貿易問題に関しての思惑で、上下動をしている。米国が中国に対して追加関税を発表するなどのニュースが出ると、米中貿易問題の悪化を材料に「豪ドル売り」になり、マーケット(外国為替市場や株式市場)が落ち着くと、米中貿易問題に関して楽観的な思惑が出てきて「豪ドル買い」になる。
それでも大局で見ると、徐々に上値を切り下げて安値を更新する値動きが続いている。そう考えると、やはり「豪ドル売り円買い」「豪ドル売り米ドル買い」が現在の正攻法であり、「豪ドル買い」は避けるべき、と考えている。
(2019年08月15日東京時間14:30記述)
◆松田哲(まつだ・さとし):三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として外国為替や投資全般のコンサルティング業務を行う。HPは「松田哲のFXディーラー物語」(http://matsudasatoshi.com/)。メールマガジン「松田哲の独断と偏見の為替相場」も発信中。