気温が40度近くにもなる“危険な暑さ”が警告されるなど、全国で猛暑が続いている。オフィス内ではエアコンもフル稼働といったところだが、近年では、室温設定にまつわる諸問題を指す「エアコン・ハラスメント」なる言葉も誕生。すべての人が満足できる気温の維持はなかなか難しい問題となっている。会社員たちに、職場の「エアコン対策」を聞いてみた。
20代の女性・Aさんは、夏にもかかわらずカーディガンが手放せない。
「エアコンの寒さ対策として、職場に一枚カーディガンを常備。カフェやファミレスなどの飲食店も、ずっといると寒くなってくるところが多いので、かばんの中にも薄手のカーディガンを入れて、常に持ち歩いています。飲み物はホットコーヒーや温かいお茶を頼むように心がけています」
小売業界に勤める30代の女性・Bさんの場合、職場での“エアコン・ハラスメント”の攻防も、会社生活の日常の一部と化しているという。
「いつの間にか最低温度に設定する人がいるので、気がついた時に少しずつ設定温度を上げています。ただ、外出先から戻ってきた営業さんなんかはやっぱり暑いはず。それもわかるので、しばらくは耐えるのですが、結局はいたちごっこになってしまいます」
エアコンの室温に悩まされるのは女性だけではない。30代の男性会社員・Cさんも、設定温度の低さに苦しんでいると明かす。
「クールビズを受け、職場でのポロシャツ着用が奨励されるようになりました。すると、今までは女性が寒さを訴える理由が分からなかったのですが、半袖の状態で1日中エアコンの下にいると、頭痛や肩こりなど体調に支障をきたすようになったんです。仕事中には肩からブランケットをかけ、数時間に一度は席から離れて歩くなど、なるべく身体を冷やさないように工夫しています」