かつては30兆円以上の市場規模と言われていたパチンコ・パチスロ業界だが、現在は20兆円を切るほどに縮小。その背景には、出玉の規制や人気機種の減少、景気の悪化など、さまざまな要因があるとされているが、「イベントの規制」もまた影響を与えているようだ。かつてパチスロ雑誌の編集に関わっていたフリーライター・A氏はこう話す。
「以前は、パチンコ店が『出血大サービス』などと銘打って、集客のためのイベントを開催していました。そういったイベントの日は、パチスロであれば高設定台(注:設定が高いほど、期待出玉率が高くなる。設定は店側が変えることができる。機種によって異なるが、設定は6段階となっていることが多く、数字が大きいほど出玉率が高い)が多くなっており、それを狙ってお客さんが来るということです。
しかし、現在はそういったイベントは射幸性を煽るという理由で、警察当局から規制の対象になっています。地域によって違いはありますが、露骨に出玉を煽るイベントの開催は難しくなっている。その結果、イベント狙いの客が減少しているのは間違いないと思います」(以下同)
現在では、パチンコ・パチスロライターやタレントなどが来店する「取材イベント」や「来店イベント」と呼ばれるものがかろうじて残っている状態だ。
「取材・来店イベントだからといって、客はそのライターやタレントに会いに来ているわけではないんです。出玉を煽るイベントができないから、代わりに取材・来店イベントをやっているだけ。客は結局出玉での還元を期待しているわけです。ただ、最近は取材・来店イベントも規制の対象になっていて、こういったイベントすら開けない地域が増えています」