20~60才までが対象で、原則60才までお金を引き出せない分、老後資金を作るための方法としては現時点で“最強”だろう。2017年以降、専業主婦も加入できるようになって徐々に人気を集め、加入者は今年6月時点で127万人を突破した。『50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話』(東洋経済新報社)の著者でファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんが話す。
「老後資金の不足を補うため国が肝入りで用意した制度がイデコです。民間の金融商品では考えられないお得な仕組みが多く揃っているんです」
昨今の「老後2000万円問題」でも、イデコの人気は急上昇。楽天証券の6月のイデコ申込数は前月比2倍、SBI証券やマネックス証券も同1.5倍に伸びたという。
「特に、40代以降の女性の申し込みが増えています。比較的若い世代も、老後を意識し始めた人が増えている印象です」(楽天証券広報の松崎裕美さん)
さらに、これからイデコの加入を検討すると、期間限定のお得なキャンペーンもある。
「今ならマネックス証券は、イデコの申込書類を請求するだけで200円分のAmazonギフト券がもらえます。SBI証券も、9月に豪華特典のプレゼント企画を予定しているそうです」(山中さん)
その上、この夏には厚生労働省も重い腰を上げた。
「年金には、大きく分けて『公的年金』と『私的年金』があります。公的年金は、国に毎月保険料を払い、65才以降に受け取る年金のこと。一方、私的年金は、会社が掛け金を拠出する『企業型確定拠出年金』や、個人が加入する『イデコ』などがあります。
これまでは、会社に企業型確定拠出年金が導入されている人は、原則イデコへの加入が認められず、会社が拠出する金額以上の掛け金を積み立てられませんでした。これでは、税優遇を充分生かしきれないデメリットがあったのですが、厚労省は、すべての会社員がイデコを併用できるよう制度を改正する方針です」(同前)