そこまでやってはじめて“人並み”と認めてもらえるのです。もちろん、パワハラやモラハラをしないことが前提です。加えてSNSでは『自分は人並み以上』と発信することが恒常化しています。しかし、そんな煩わしさにみんな“そろそろやめたい”と気づき始めている。
実際、若手俳優の池松壮亮さん(29才)はある男性誌のインタビューで『LINEを退会した』と明言。SNSと距離をとる人は増えています」(沢木さん)
ドラマには同僚同士でマウントし合う様子も描かれる。
「女性のマウントは外見から始まって、彼氏の有無や結婚、結婚したら夫の仕事、子供がいるか、いるならその子の学校、就職先と延々続く。
最後は90才で歩けるかどうかというような健康状態にまで及びます。そんな“切りたいけど切れない”マウントの連鎖を絶った凪は、“現代のジャンヌ・ダルク”といえるかもしれません」(沢木さん)
ゼロになる難しさに共感の嵐
「原作の漫画を上司にすぐに渡して読んでもらい、その2時間後には出版社に映像化の交渉をしていました」
と語るのは、同ドラマプロデューサーの中井芳彦さんだ。
「通常のドラマの導入部は、“何かを抱えた主人公が○○になる”というストーリーが多い。ですが、凪はもともと持っているものを捨てるために奮闘する。困難な道を進むヒロインが斬新に見えて、応援したくなるのかもしれません」(中井さん)