まだまだ暑い日が続いている。ビールやハイボールもいいが、なかには缶に入ったストロング系チューハイが欠かせないという人も少なくないだろう。
その魅力は、何といっても“コスパ”の良さ。アルコール度数9%以上でありながら350ml缶1本で百数十円とあって、安く手っ取り早く酔えてしまう。だが、“副作用”ともいえるその闇は想像上に深い。実態を知るべく、愛飲者にどんなシーンで飲むかを聞いた。
30代の男性会社員・Aさんがストロング缶にハマったきっかけは、残業続きの生活でたまったストレスの解消だったと話す。
「当時は仕事終わりのロング缶の1杯が本当に幸せで、家の近所のコンビニで必ず買って帰っていました。我慢できなくて会社帰りにコンビニに飛び込むことも。忙しくて家と会社の往復だけの日々のなか、いい気分転換になっていました」(Aさん)
そんなAさんは、もともとソーシャルゲームにハマっていて、ゲームを有利に進めるためにアイテムやキャラクターに課金するガチャを月1万円ほどつぎ込んでいた。この課金額が、ストロング缶と組み合わさったことで一変した。
「ガチャを回しながらロング缶を2~3缶飲むと、世界が変わります。泥酔してハイになってから回すので、どんな結果でも楽しくなってしまうのです。好きな女性キャラクターを引き当てたときは、深夜でも叫びだしてしまうほど。
ガチャは連打するとスキップできて、あっという間に終わるんですが、1万円札が1枚、2枚、3枚と溶けていく、そんな破滅に向かっている感覚が本当にヤバい。病みつきになってしまいました。ダメ押しは翌朝、Appleからのメールで知る課金額。一晩で15万円使っていたときもありました」(Aさん)