ところが、ビジネス紙の権威である日本経済新聞は、取材料を払わない。紙面に反映されない単なるネタ拾いでも、一切支払わないのだ。だから、私はもう20年も、日本経済新聞の取材を原則引き受けていない。そのことに関して、何となく後ろめたい気持ちもあったのだが、本書を読んで、それが吹き飛んだ。私はユダヤ人になったのであり、それが、グローバルスタンダードなのだ。
ただ、本書を読んで反省した部分もある。ユダヤ人は、3か月で採算が覚束なかったら、ドライに撤退する。ところが、私にはそれができない。そこが金持ちになれない最大の理由なのだろう。
※週刊ポスト2019年9月6日号