かつて“三種の神器”に例えられたマイカーも、「所有」するかを考え直す有力候補となる。
「交通至便な場所に住んでいる人なら、駐車場代や保険、車検代などが嵩むマイカーを持ち続けるより“カーシェアリング”を活用したほうが得になるケースが少なくありません」(丸山氏)
カーシェアリングとは、近年、都市圏を中心に急速にサービス網を拡大している会員制の無人レンタカーサービス。所定の駐車場などに空いている車があれば24時間、いつでもスタッフを介することなく利用可能だ。パソコンやスマホで予約後、車のカードリーダーに会員証をかざすとドアが開錠され、車内備え付けのキーを差し込み発進となる。
全国1万2000の拠点に2万6000台の車を配する「タイムズカーシェア」の場合、1500ccクラスのコンパクトカーが中心のプランで15分206円(消費増税後は220円)から利用可能。別途、月会費1030円が必要となるが、ガソリン代や保険料は利用代金に含まれている。
「一般的なレンタカーは数時間単位の利用となりますが、買い物や通院など、短時間の“ちょい乗り”が多い人にはメリットが大きい」(丸山氏)
同等クラスのマイカーに5年間乗り続けたケースを試算すると、駐車場代や保険料、自動車税、車検費用など維持費だけで総額132万円が必要だ。一方、カーシェアを月6回、3時間ずつ利用した場合(*注)の月額は1万4832円。5年で約89万円となり、所有するよりも40万円以上コストを圧縮できる。
【*注/タイムズカーシェアで「ベーシッククラス(個人プラン)」を利用した場合】
とくに70代以降は、免許返納の検討を迫られる可能性も出てくる。車との付き合い方も考え直してみたい。
※週刊ポスト2019年10月4日号