10月から消費税率が8%から10%に引き上げられるが、医療費は非課税だから消費増税とは無縁という認識は誤りだ。
「10月の診療報酬改定で基本診療料が値上がりします。自己負担割合によって増える支払額は変わりますが、3割負担の場合、初診料は18円、再診料は3円、入院費は一般病棟の入院基本料の場合、約60円の値上げになります」(関東信越厚生局・東京事務所)
微々たる額に思えるかもしれないが、長期の通院となれば馬鹿にならない。
さらに、今後は医療費の負担増ラッシュが懸念されている。9月に入り、健康保険組合連合会は75歳以上の後期高齢者の医療費の自己負担を1割から2割へと引き上げるよう求める政策提言を発表。実現すれば、窓口で払う額が倍になる。
そうした時代だからこそ、「無駄な医療費を払っていないか、改めてチェックが必要」だと社会保険労務士の井戸美枝氏は指摘する。
「医療費は受診の仕方によって3種類の割増料金が請求されます。『深夜加算』『休日加算』に加え、見落としがちなのが『時間外加算』です。夜の診療が17時から20時までの病院では、おおむね18時以降の受診で時間外加算がつき、初診料は255円プラス、再診料は195円プラス(いずれも3割負担の場合)になります。診療時間が夜8時までと表示されていても、実際は時間帯によって金額が違う。
緊急時は別ですが、極力、平日の午前8時から午後6時までの間にしたほうがいい。この3種類の加算は病院だけでなく、薬局でも適用されます」