そんなAさんが注文するのは、スモールカップのスープ2種類の「スープストックセット」と決まっている。
「定番の『東京ボルシチ』は毎回のように頼みます。ゴロっとした牛肉は食べごたえもあるし、レモンとヨーグルトの酸味もおいしい。もう一つお気に入りは『ゴッホの玉葱のスープ』。たっぷり玉ねぎが入っていて、結構お腹がいっぱいになるんです。食べ過ぎ防止にも役立っているような気がします」(Aさん)
システムは立ち食いそばと同じ
スープストックトーキョーのファンは女性だけではない。40代の男性会社員Bさんも、スープストックトーキョーの常連だという。
「通勤の乗り換えに利用する駅と、会社の最寄り駅の構内にスープストックトーキョーがあって、よく行きます。注文するのは毎回『カレーとスープのセット』。スープだけだとちょっと物足りなさもあるので、カレーは必須です。カレーも週替りでいろいろな種類を食べられるので、飽きずに通えます」
駅に近い店舗が多いことと、メニューが週替りであることがスープストックトーキョーのストロングポイントだといえそうだ。
さらに前出・小浦氏はこう分析する。
「店内は比較的ゆったりしていてオシャレな雰囲気なので、寛げるイメージもありますが、実は回転率が高い。1人で入ってサクっと食べて、帰りやすい作りになっているんです。料理が出てくるまでの待ち時間も少ないですし、それこそ駅にある立ち食いそば店とほぼ同じようなスタイルだといえます。周囲の目を気にせず食事を摂ることができるという意味でも、正しいファストフードのあり方だと思います」
気軽に利用できる食事系ファストフード店として、見事に需要に応えているスープストックトーキョー。とりわけ毎日のように駅を利用するオフィスワーカーにとっては、重要な存在だと言えそうだ。