国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2039年には日本の年間死亡者数がピークを迎え、167万人を超える見込みという。そうした中で、「終活事情」も様変わりする。
現在、都市部を中心に「火葬場不足」が叫ばれている。中には、火葬の予約が殺到して数日から1週間待ちというケースもある。今後の死者数の増加に伴って、人口あたりの葬儀場数が少ない地域では、霊安室や「遺体ホテル」での待機期間がさらに長引く事態が想定される。
葬儀が終わっても「お墓」の問題が付きまとう。『ひとり終活 不安が消える万全の備え』(小学館新書)などの著書がある、シニア生活文化研究所の小谷みどり所長が語る。
「比較的費用が安い公営墓地では、新たに家族のお墓を立てる空きがない地域も出てきています。しかし、今後は『一家のお墓』に入らず、継承を前提としない合葬墓や散骨といったニーズがさらに高まってくると予想されます」
深刻な未来に備えるために何ができるのか。いざその時に慌てないためにも、今のうちから備えておかなければならない。
※週刊ポスト2019年10月11日号