訪日外国人が増加する一方で、実際のところ、海外で日本人はどう思われているのだろうか。旅行や仕事などで海外を訪れた人たちのリアルな体験談から、世界でポジティブに捉えられている日本文化や日本人のイメージに迫った。
日本の古典文化の魅力を再発見
まずはヨーロッパ諸国。30代女性会社員・Aさんは、旅行で世界中のセレブが集まるモナコを訪れた。オペラ座を設計した建築家が設計した宮殿のような格式高いカジノ・ド・モンテカルロでのエピソード。
「多くの人が高価なドレスを身にまとう中、私はヤフオクにて1万円で購入した着物を着ていました。モンテカルロ周辺を歩くだけで、お金持ちたちから『KIMONOの写真を撮らせてほしい』と次々と頼まれて、まるでスター扱いでした」
周辺にある一番高級なレストランでも、日本のKIMONOブランドは絶大だったとAさんは振り返る。
「高級レストランほど、案内される席で自分の“格”がわかる。目立つ場所はレストランのブランドに直結するからだと言われています。私が着物を着ていくと、テラス席に通されました。しかも、レストランのオーケストラの人たちからは『曲名を教えてくれたら、なんでも引きますよ』という特別待遇。着物は日本人が誇るべきものだと実感しました」(Aさん)
学生時代にイギリスに留学していた20代女性会社員・Bさん。日本の古典や皇室へのリスペクトを感じたという。
「ある日、学校で『日本の文化を紹介してほしい』と教員に言われて、『源氏物語』の話をしたら、想像以上に好評でした。世界最古の長編小説といった概要とストーリーも簡単に説明すると、その世界観が気に入ったようで、『日本の古典はすばらしい』とクラスメイトから絶賛されました。それ以来、彼らと心の距離が近づけたような気がします」