伝統芸能といえば、フランス・パリで今年2月に能楽公演が開催された。その公演が「パリの人々を熱狂させた」というのは、30代女性の能楽関係者・Cさんだ。
「能の独特のゆっくりした動きに、大きな反響がありました。『現代ではテンポがよくてあっと驚く演出や場面展開が早いモノが好まれるが、これはアンチテーゼ。ゆっくりと時を味わう日本人の美意識は異次元』などと絶賛されていました。私もこれを機に、能だけではなく、もっと古典への理解を深めようと思います」
「日本人は部屋をきれいに使ってくれる」
続いてアジア。タイに長期で滞在することが多い30代の男性・Dさんは、サービスアパートメントやコンドミニアムを借りる際に、日本人の“メリット”を深く実感したと話す。
「タイの物件は基本的に仲介ではなく、オーナーと直接契約。何回もサービスアパートメントやコンドミニアムを借りましたが、日本人であることがわかると、どのオーナーも『モノを大切に使ってくれるし、きれいに生活してくれるから日本人は大歓迎だよ』と快く応じてくれました。先日も、僕が帰国するという時に、オーナーから『話には聞いていたけれど、日本人はこんなにもきれい好きなのか。驚いた!』と言われました。普通に生活していただけですけどね」
「時間を守る」「礼儀正しい」
30代女性会社員・Eさんがベトナムを旅行したときのことだ。お店やレストランでよく言われるフレーズがあったことを振り返る。
「『日本人はいい人』『礼儀正しい』『日本人だからおまけ』という言葉をよく聞きました。服をオーダーメイドして、翌日17時までに作ってほしいという無理を言ってしまった時も、スコールが降っていたのにもかかわらず、時間に間に合うようにホテルまで走って持ってきてくれたんです。聞けば、『日本の人たちは時間を守るから、私たちもしっかりしないといけない』『礼儀正しくていい人が多いから、私たちもそれに応えないといけない』と言います。逆に身が引き締まる思いでした」
40代の男性会社員・Fさんは、仕事で頻繁に台湾へ渡航する。取引先の年配男性から言われたある言葉が心に響いたと話す。
「その男性が言うには、『台湾人は、日本人を“教養がある人たち”だと捉えている』そう。台湾では知識だけでなく礼儀作法も教養として重んじるとい言い、何かをしてもらったらお返しする、マナーをしっかり守ることがとても素晴らしいと褒めていました。例えば、台湾人がおみやげをもっていくと、日本人は同等以上のおみやげを持たせてくれる。『日本人は親切にしたら、それを当たり前だと思わないところが本当に素敵だ』と話していました」