どんな人も少しずつ体の機能が衰え、必ず最期を迎える。70代、80代でも元気で活動的な人が多い今、つい忘れがちだが、自分の親が、ゴールまでの道のりのどのあたりにいるのかを、意識し始めた方がいいと、岩切さんは言う。
「これから、いろいろなことが起こってくると思います。たとえば、口から食べられなくなった時に点滴や胃ろうをするか。延命治療はどうするか、最期をどこで迎えるか。どの段階でどれだけお金がかかるのかも、そろそろ考えておく段階といえます。
もちろんご本人と少しずつ話し、意向を聞いておくことも大切ですが、事前に考えておいても直面した時に迷うことも多いのです。そんな時、いろいろな人の意見を聞けた方がいいですね」
そのために、ケアマネジャーやかかりつけ医、訪問医や訪問看護師など、身近な専門家、親の生き方をよく知り、よい意見を寄せてくれる人との関係をつくっておくことが大事だという。
「最後の段階になると、医療や介護のたくさんの専門分野の人がかかわります。そこで“要求”ばかりするのではなく、足並みをそろえて仲よく。なんでも相談できる間柄になっておきましょう。家族がいい状態でいることが、ご本人のいちばんの幸せです」(同)
※女性セブン2019年10月24日号