これらの動画は、普通のYouTuberのように再生回数を増やして、広告収入を得ることが目的ですが、同時に動画そのものを広告として活用するという側面もあります。それこそ、パチンコ店の集客が目的となっている動画も多い。そういう意味でも、パチンコを打ちたくなるような動画がほとんどです」
打ちたくなるような動画が多いということは、それを見ることでパチンコ・パチスロをやめるのは、むしろ難しいということではないだろうか。Aさんはこう話す。
「たしかに、動画を見ていると打ちたくなるので、基本的にパチンコ店が営業している時間帯は見ないようにしています。見るのは夜遅い時間。物理的にパチンコを打てない状況で動画を見れば、実際に打ちに行くことはないまま、“打ちたい欲”を解消することができる。週末はどうしても打ちたくなってしまうので、何らかの予定を入れ、パチンコ店に行けないような状況を作るようにしています。
あとは、“打ちたくなったら、夜動画を見る”という習慣をつけることで、だんだんと“ああ、もう打ちに行かなくていいや”っていう気持ちになってくるのも事実です。禁煙しようとする人が、タバコが吸いたくなったら時に飴を舐める、みたいなことだと思います」(Aさん)
また、パチンコ・パチスロ動画は必ずしも勝っている動画ばかりではなく、大負けしている動画も少なくない。そういった動画を積極的に見ることで、自然とパチンコ店から足が遠のくという。
「7万円とか8万円とか負けている動画を見ると、“いやあ、自分もこんな感じだったのか……”ってちょっとヘコむ。まさに反面教師という感じになるし、“こんなに勝てないなら打たないほうがいいな”という気分にもなるんです」(Aさん)
本来はパチンコ・パチスロが打ちたくなるような動画でも、上手く視聴すればパチンコ・パチスロをやめるためのツールにもなりうるようだ。