かつて鉄道ファンといえば日陰の存在だったが、今や女性芸能人が鉄道好きを公言する時代。大人の趣味として完全に定着した感がある。趣味=お金がかかるものという印象は強いが、鉄道趣味とは奥が深いもの。かかる費用はジャンルによって大違いだ。ライターの金子則男氏がいう。
「鉄道ファンは大きく分けて、車両の写真を撮る“撮り鉄”、鉄道に乗る“乗り鉄”、模型が好きな“模型鉄”が三大派閥で、そこに歴史、収集、時刻表などが複雑に絡み合う形で形成されています。
全国を飛び回る乗り鉄は一見ものすごくお金がかかりそうですが、鉄道に乗れる時間には限りがありますし、ごくごく一部の超高級豪華列車を除けば、乗車料金は法外なものではありません。青春18きっぷなどのオトク切符を使って費用を節約する方法もあります。海外の鉄道まで手を広げれば、話は別ですが……。
撮り鉄も乗り鉄と同様、写真を撮れる時間には限りがありますから、自ずと上限額は決まってきます。撮り鉄の場合、車で移動をし、そのまま車中泊することで費用を節約するパターンは少なくありません。こちらも、カメラを数台セットし、レンズも超高級タイプを使用し……とこだわり始めればきりはありませんが、お小遣いの範囲内で十分楽しめる趣味です。
逆にある意味“天井知らず”なのは模型鉄でしょう。車両を集め始めれば際限なくお金は掛かりますし、ジオラマを作れば、やがては手狭になるもの。自宅に模型専用の部屋を作ったり、郊外に引っ越したり、自宅の庭に離れを作ったりすれば、数百万円のお金は簡単に出ていきます」(金子氏。以下同)