領収書もらうのが手間に
自身で会社を経営する40代の女性・Dさんは、10月以降、領収書の発行が面倒になったと感じている。
「たとえばいつも行くスーパーだと、これまでは、『領収書をください』と言うと、レシートの後にそのままレジから出してくれていたのですが、明細をマストでくっつけられるようになりました。『明細いらないんです』っていうと、そのスーパーではカスタマーセンターに行って手書きで発行してもらわなくてはいけない。
これまで通りレシート形式の領収書を発行してくれるところでも、軽減税率と標準税率の商品とで明細を書き分ける必要があるため、内訳をこまごまと手書き。但し書きで当たり前のように使われてきた『お品代として』という表記もダメなようで、『飲料代(軽減対象)』などと、店員さんがいちいち手書きで内訳を書いています。8%と10%の商品が混在するため仕方ないのかもしれませんが、キャッシュレス決済なのに、結局レジでモタモタしている始末です。領収書をもらうのが申し訳なくなっています」(Dさん)
全員が共通して語ったのは、制度の複雑さ。生活の一部として消費者に浸透しきるまで、しばらく時間がかかるかもしれない。