また、今回のご相談の場合、短時間・有期雇用労働法8条では正社員との不合理な差別を禁止しているので、同じ仕事をしているアルバイトにも同様の配慮をする必要があったと思います。
派遣労働者の場合も、労働者派遣法30条の3で派遣元業者に、派遣先労働者との不合理な待遇を禁じています。派遣元は派遣先との派遣契約で差別的扱いをしないように合意しておくべきでしょう。
これらの規定に違反したからといって罰則の適用はありませんが、不合理な差別の程度によっては、不法行為となる可能性があります。こうした待遇上の問題については監督署に相談すれば、都道府県の労働局長の援助や指導を受ける可能性もあります。請負の場合、請負企業労働者への指揮命令は請負業者がします。しかし、発注者は自然災害のような場合には、事業所の管理権の行使として退社を指示できる場合もあると思います。
【プロフィール】竹下正己●1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2019年11月22日号