実際に博報堂生活総合研究所が2019年5月に実施した「消費1万人調査」でも、インターネット等の登場で自分の買い物行動がどう変わったかをきいたところ、「大胆になった」が30.5%なのに対して、「慎重になった」との回答が69.5%にのぼりました。
また、ECの浸透で、値引きよりも返品できることを重視するという意識が一般的なものなのか、「消費1万人調査」で尋ねてみました。
ECで8000円の服を買うときに、
A「2割引だけど返品NGの服(6400円)」
B「定価だけど返品OKの服(8000円)」
どちらの商品を選ぶのかをきいたところ、Aが55.0%、Bが45.0%という結果。安さを重視する「値引き派」が半数をやや上回ったものの、「返品派」も意外に多い印象です。もしAの条件が1割引だったら、逆の結果になっていた可能性もありそうです。
最近では「届いた商品群から合うものだけ選んで、残りは送り返せる」という、返品を前提にした商品サービスもちらほら登場するなど、企業側も「返品派」生活者の気持ちに寄り添おうと、工夫をし始めているようです。増税後の家計の防衛策として、こうした「返品」まわりのサービスに目を向けてみるのもひとつの手かもしれません。
◆レポート/三矢正浩(博報堂生活総合研究所 上席研究員)
【参考情報】
○「消費1万人調査」調査概要
調査地域:全国
調査対象:15~69歳の男女
調査人数:10000人(国勢調査に基づき、性年代・エリアの人口構成比で割付)
調査手法:インターネット調査
調査期間:2019年5月28日~6月1日
○博報堂生活総合研究所 消費研究特設サイト
https://seikatsusoken.jp/shohi2019/