さらに夫の病状が悪化したら、『精神障害者保健福祉手帳』の申請をし、障害年金の受け取りも視野に入れよう。
うつ病の原因が“仕事”なら労災補償の対象に
「2017年度の厚生労働省の報告によると、仕事が原因で精神疾患にかかり、労災認定された人は506人。精神疾患による労災申請をした人は1732人いました。これは過去最高です」
仕事が原因でうつ病などの精神疾患にかかり、労災認定を受けた場合、自己負担なしで治療が受けられる『療養補償給付』が受け取れる。
「就業不能になったら、『休業補償給付』として、平均給与の80%程度を受給できます」
これらの申請は労働基準監督署で受け付けている。
「この申請の際、夫がどのような職務環境に置かれていたかを細かく聞かれます。パワハラや残業代の未払い、不当解雇などが証明できれば、訴訟の検討もできます」
と労使問題に詳しい弁護士の齋藤健博さんは言う。夫の病状が安定している時に、どのような環境で勤務していたかをノートにまとめておこう。これが、証拠となって夫を守れたケースもある。
夫がうつ病になったら、妻が司令塔になって家庭を守らなければならないのだ。
※女性セブン2019年11月28日号