アリババ集団(9988、BABA)は11月13日、香港市場に上場すると発表した。上場予定は11月26日。発行価格は188香港ドルを上限として、ブックビルディングを通じて20日に決定される。香港市場での公募株数は1250万株だが、グローバルオファリングとして主に海外機関投資家向けに4億8750万株が割り当てられる。そのほか、マーケットの状況をみたうえで最大7500万株の普通株を追加発行できる(オーバーアロットメント)権利を有している。最も大きく見積もれば1081億香港ドル(1兆5134億円、1香港ドル=14円で計算)の調達規模となる。
今回の引き受けで主幹事を務めるのは中国国際金融とクレディ・スイスである。そのほか、シティグループ、モルガン・スタンレーなどが引受幹事団に加わるようである。
アリババ集団は、ニューヨーク証券取引所に上場しており、11月15日のアメリカ株時価総額ランキングでは、アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムに続き第4位である。ちなみに、第5位はフェイスブックである。アルファベット(グーグルの持株会社)については、議決件“あり”の株式と“なし”の株式の2種類を上場させており、両方合計すれば、アリババ集団の一つ上の順位となる。
時価総額ベースでみればアリババ集団は、GAFA、マイクロソフトなどとトップグループを形成するほど国際市場を代表する大企業だが、今回、香港市場を通じて、さらに巨額の資金を調達しようとしている。
注目すべき点は、“誰がアリババ集団をこれほど巨大な企業に育てたのか、巨額の資金調達の手助けをしようとしているのか”といった点である。
筆頭主幹事を務めるのは、発行済み株式総数の過半を国家が所有する中国国際金融である。香港、ニューヨーク、シンガポール、ロンドンなど海外にも拠点を置く、中国本土を代表する投資銀行である。しかし、クレディ・スイスを中心に複数の欧米系投資銀行が引受シンジケートを形成しており、彼らがグローバル投資家に株式を販売するのを助けている。