『教育格差──階層・地域・学歴』(ちくま新書)の著者で、教育社会学者の早稲田大学准教授・松岡亮二さんが話す。
「大卒の親の子供は大卒に、非大卒の親の子供は非大卒になるという、いわゆる親子の『学歴再生産』の傾向があります。全員が当てはまるわけではありませんが、人は自分がどう育てられたか、どんな経験をしたかを基準に子育てをするでしょうから、子供が自分と同じような選択にたどり着くのは自然なことです。
本来は公立校が、家庭の教育の範囲を超えて、すべての子供が自身の可能性を追求できる機会を提供すべきですが、現状では不充分です。形式的な機会の平等だけでは、出身家庭や出身地域による格差が大きく縮小することはないでしょう」
※女性セブン2019年12月5・12日号