一般に、女性の方が男性より長生きのため、夫は65才から、妻は70才から受給を開始するという手もある。老後の資産状況や、定年後も働くかなどを考慮して慎重に選ぼう。すでにパートで働いている主婦は将来の年金額を増やせるかもしれない。財政検証では、パート主婦の厚生年金の適用を今後拡大していく方針も示された。
「現在、従業員501人以上の企業、勤務時間週20時間以上、月収8万8000円以上などの条件を満たせばパートも厚生年金に加入できます。現在、従業員数の要件を『51人以上』に引き下げる方向で最終調整されており、実現すれば、新たに65万人が厚生年金の加入対象になります」
厚生年金に加入した場合、いくら増えるのか。たとえば時給1100円のパートで週5日、1日4時間の勤務を3年間続ければ、年金額は月1570円、10年間なら月5240円もアップする。
「女性の場合、結婚、出産などで厚生年金への加入期間が男性より短いことが多い。その分、加入期間を増やす余地は多くあるので、積極的に利用してほしい」
苦しい時こそ得する制度で賢い選択をしたいものだ。
※女性セブン2019年12月5・12日号