群馬県在住の専業主婦、山田さん(仮名、41才)は、この言葉に怒りと悔しさをにじませる。
「まるで『専業主婦が悪い』とでも言いたげで、心外でした。結婚前は私も仕事をしていましたが、せめて子供が幼児期の頃までは自分の手で育てたいと思い、出産を機に退社。毎日必死で子供の世話をして、ご飯を作って節約して、自分なりに家庭を守ってきた自負があります。確かに生活は楽ではありませんが、『貧困』と言われる筋合いはありません」
静岡県に住む専業主婦の鈴木さん(仮名、60才)は、記事を読んで呆然としたという。
「ショックを受けています。子供と夫のために生きてきたこの40年を否定された気持ちです。私たちの時代は、女性が家を守るのは当然とされ、女性が男性と同様に働ける土壌もありませんでした。多くの女性が働けるようになった今、そうした過去の価値観の中で生きてきた女性は、『貧困専業主婦』という言葉で否定されてしまうと思うと…」
一方、福岡県在住の専業主婦、古賀さん(仮名、33才)は不安を打ち明ける。
「働けるなら働きたいです。うちは夫が病気がちで、仕事を転々としています。2人の子供を保育園に預けるお金も惜しく、私が外で働ける状況ではありません。生活費もままならず、今は生活保護を受けています。
本当に情けないのですが、子供を塾にも行かせてあげられないのは私たちの責任です。でも、だからといって何か対策が打てるわけでもなくて。この先、一体どうすればいいのでしょうか──」
「貧困専業主婦」という耳慣れない言葉は、さまざまな背景を持つ専業主婦の心を揺さぶった。この言葉は、彼女たちに何を突きつけたのか。