11月、中国の統計手法に修正が加えられたことで、2020年の成長率の見通しも変わりそうだ。
中国国家統計局は11月20日、第四回全国経済センサス調査の結果を発表した。22日にはその結果を反映させた形で2018年の名目GDP修正値を発表した。
経済センサス調査は5年に一度、事業所、企業の基本的な構造や、経営活動状況を詳しく知るために行われる実態調査である。これによって、各産業に属する従業員の数や、経営データなどが網羅され、そうした最新のデータに基づいてGDPが新しく計算される。
2018年の名目GDPについて、修正された結果をみると、全体で2.1%増加している。重要なのは産業構成比の変化であり、第三次産業が1.1ポイント上昇し53.3%、第二次産業が▲1.0ポイント低下し39.7%、第一次産業が▲0.2ポイント低下し7.0%に変化している(四捨五入のため変化幅の合計がゼロとならない)。
産業構成比に関して、大きな変化がみられるが、その要因として次の2点が指摘できる。
一つは中国の経済発展は目覚ましく、第三次産業を中心に起業が盛んであり、経済構造が変化しているという点である。もう一つは、これまでにも増して、零細企業までしっかりと調査を行ったという点である。
後者については、160万人をこえる調査員を動員してくまなく調べた結果、調査対象は1億か所を超えたようだ。もっとも、全体の増加率としては、過去3回よりも小さいので、捕捉率が上がったことによる影響は、過去と比べれば小さくなっているといえよう。