12月の風物詩といえば、一年間の労をねぎらう忘年会。しかし昨今では「忘年会スルー」なる言葉が登場し、忘年会に出席したくない人の声が共感を集めるなど、“当たり前”に開催されてきた職場の忘年会にも変化の波が訪れているようだ。そんななか、幹事を引き受けることになった人たちに、その苦労と工夫を聞いた。
働き方改革の影響で忘年会の準備期間が減少
CM制作会社に勤務する30代の男性会社員・Aさんの職場では、2年目の社員が中心となり、渾身の出し物を企画するのが“ならわし”だった。
「以前は、有志バンドでのオープニング演奏や、若手による映像作品など、コンテンツがてんこ盛りでした。ビンゴ大会の景品も取引先の提供で、旅行券やゲーム機器、毛ガニなどの豪華賞品ばかり。
しかし、働き方改革の流れを受け、忘年会の準備に充てていた時間も、『業務時間』として勤怠管理せざるを得なくなりました。ただでさえ労働時間が長い業界なので、忘年会準備にこれ以上費やすのは難しい。この数年で少しずつコンテンツが減り、“歓談の時間”が長くなってきています」(Aさん)
Aさんは会自体が縮小傾向にある中、若手社員のモチベーションへの変化を感じている。
「部署ごとの忘年会や納会には、『先約』や『私用』を理由に参加しない若手が増えました。出席したとしても、全身から『早く帰りたいオーラ』が出ているので、心から楽しんでいないのはバレバレです(笑)」