2019年10月の消費増税に伴って中小小売店を中心に導入された最大5%のキャッシュレス還元。それによってコンビニ消費にも変化が起きているのだとか。『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート2020』の著者で“カリスマ家計簿考案者”としても知られる細野真宏氏が、素朴な疑問に回答する形で、そのポイントを解説する。
読者代表・コロちゃん(以下コロ):国の「キャッシュレス還元策」って、実はオリンピック前の6月末までの期間限定だったんだね。
細野:だから、2020年は6月末までと、それ以降で、考え方を大きく変えることが大事になるんだ。まず6月末までは、消費税増税後の方が、消費税増税の前よりもお得になっているような状況が生まれたりしているからね。
コロ:え、どういうこと? 消費税増税の前より、消費税増税後に買い物をした方が、得するってことなの?
細野:そういうことなんだ。今回の消費税増税では「軽減税率」というものが導入されたので、食料品は税率が8%のままに据え置かれたよね。さらに、大手コンビニ4社(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ)は、一部が国の「キャッシュレス対象」になるため、混乱が起こらないように、ほぼ全店で「2%還元のキャッシュレスキャンペーン」をやっているんだ。だから、大手コンビニで日常の食料品を買って帰ると、消費税が6%と同じような状態になるんだよ。
コロ:ということは、大手のコンビニで食料品を買うと、お得になるってことなんだ!
細野:まさに、そういう状態が生まれているんだよ。コンビニというと「ついつい買い」の代表で、家計管理では気を付けたい存在だったけど、今は、むしろ家計に優しい存在になっているんだよね。
コロ:なるほどね。そう言えば、『家計ノート』のコラムで、お米の消費量が下がってきている、というのがあったけど、共働きも増えている中で、なかなかご飯を炊くのも大変になっているから、コンビニがそういう状態だと家計にも助かるね。
細野:その通り。お米の消費自体は、総務省の家計調査だと2000年の時は、1世帯当たり3万2769円だったけれど、2018年だと1万9734円と、約4割も減っているんだ。実は、その一方で、おにぎり等の消費金額は、その間に、約4割も増加しているんだよ。