コロ:え、根本的に「お米の人気が下がっているのか」と思っていたけど、おにぎりの消費が逆に増えているのなら、そういう訳でもないのか。
細野:実は、このおにぎり人気の背景の一つには、まさに、コンビニの存在も大きいんだ。例えば、ミニストップでは、2019年7月から、通常のおにぎりを全品100円(税別)にしたんだよ。
コロ:全品が100円なの? それだと、かなり買いやすくて便利だね!
細野:実際に、ミニストップのおにぎりの販売個数は倍増したりしたからね。しかも、面白いのは「おにぎりの種類の売上ランキング」にも変化が出たんだよ。
コロ:え、どうして種類のランキングに変化が出るの?
細野:まず、通常のおにぎりのランキングは、定番の「ツナマヨネーズ」が1位なんだよ。美味しいし、安いからね。でも、全種類を100円にするということは、「紅しゃけ」「ネギトロ」「辛子明太子」「熟成焼たらこ」「唐揚げ」など、これまでは100円ではなかった物も全部が同じ100円になるんだよ。例えば他のコンビニなら140円だったりする「紅しゃけ」でも、ミニストップを選べば100円で済むんだ。
このようにコスパを考えて、付加価値の高い商品を選ぶ人も増えているから、今では売上ランキングは1位「紅しゃけ」、2位「ネギトロ」、3位「ツナマヨネーズ」といった順番になったりしているんだよ。
コロ:なるほどね。元々の値段から考えると、よりお得な商品がわかったりもするのか。
細野:そうなんだ。ちなみに、ミニストップでは、値下げ前の値段は「紅しゃけ」「ネギトロ」は130円で、「ツナマヨネーズ」でも107円だったから、全般的に値下げをしてくれているんだよ。
コロ:値下げしても品質が変わっていないのならうれしいね。消費税が上がっても食品の消費税は8%のままだから、税込みでも108円で買えるわけか。
細野:それが2020年6月までは、さらにキャッシュレスだと2%安くなる、という状態だから、特に6月末までは大手コンビニは「家計の味方」と考えても良さそうだね。
◆ほその・まさひろ/日常よく目にする経済のニュースをわかりやすく解説した“細野経済シリーズ”が、経済本で日本初のミリオンセラーとなり、ビジネス書のベストセラーランキングで「123週ベスト10入り」を記録した。首相管轄の「社会保障国民会議」などの委員も務め、金融・経済教育の重要性を世に問い続けている。10年連続完売を記録中の『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート2020』も発売中。
※女性セブン2020年1月2・9日号