多くのパチスロ機は店側が6段階で出玉率を設定することが可能で、毎日設定を変えたり変えなかったりして、出玉を調整している。野村さんは“高設定が入っていそうな台”を予想して打っていたというわけだ。
「6号機に関しては、あまり勝てないというイメージがあるので、敬遠していました。でも、『絆』や『ハーデス』が撤去されたら打つものが無くなってしまうので、今年の夏前くらいから6号機メインにしています。
ただ、なんとなく打っていても負けるばかりなので、事前にパチスロ雑誌やネットなどで、機種の内部システムをしっかり把握して、期待値がプラスになる場合しか打たないという立ち回りを徹底するようにしています。つまり、“プロっぽい立ち回り”を実践しているんですよ」(野村さん)
機種によって内部システムは様々だが、“当たりやすいゾーン”というものが存在する機種も多い。野村さんは、そういったゾーンだけを打つことで、勝率を高めようとしているのだ。
「適当に打っているときに比べると、たしかに収支は安定しているように思えます。でも、期待値がプラスになるゾーンを打つといっても、確実に勝てるというわけではない。出玉制限のある6号機では、5号機時代のように“たまたま何千枚も出てしまう”ということもないので、なかなか難しいんです。1日あたり1万円くらいプラスになれば十分だと思ってやっていますが、正直いって“トントン”くらい。お世辞にも“プロ”なんて呼べる状況ではありません」(野村さん)
6号機の“ハイエナ”は、やりやすいのか
一方で、6号機には“オイシイ台”が落ちていることも多いと話すのは、40代のウェブデザイナーの井上さん(仮名)だ。井上さんも最近は6号機をよく打っているという。
「6号機はそんなに人気がないからか、内部システムがあまり知れ渡っていないんです。だから、当たりやすいゾーンにあるのに放置されている台をちょくちょく見かけます。あと、内部システムをよくわからないまま打って、そろそろ当たりそうなのにヤメてしまうお客さんもいて、そういう台を見つけたときはありがたくいただくことが結構あります。いわゆる“ハイエナ”という立ち回りで、ホールでは嫌われることも多いんですが、あまり露骨にならないようにやっています」
ただ、ハイエナができるのも、ある程度の“稼働”が必要だ。
「6号機はやっぱりまだまだ人気が低くて、誰も打たないということも珍しくない。何かオイシイ台が落ちていないかとホールをウロウロしていても、誰も6号機に座ろうとせず、時間ばかりが過ぎてしまうことも多い。少なくとも“6号機のハイエナで絶対に勝てる”なんて言える状況ではありません……」(井上さん)