だが、2020年の年金改正で在職老齢年金制度が変わる。65歳未満は給料と年金の合計収入47万円まで年金カットされなくなる。現行制度では年金全額カットの前述のケースであれば、新制度になると年金と月給のダブルインカムで47.5万円(5000円減額)の現役時代並みの収入になる計算だ。
それだけの収入があれば、退職金に加えて数年間で老後資金を積み上げることもできるだろう。
制度改正のメリットを受けるのは“得する年金”世代だけではない。50代、40代は、「繰り上げ受給」が選びやすくなる。
繰り上げ受給は年金を早く貰う代わりに支給額が減額される仕組みで、これまでは「60歳繰り上げ」を選ぶと年金額が30%減らされた。しかし、新制度では減額幅が縮小され、60歳繰り上げを選んだ場合の年金額が今より1万円程度増える。
定年後の雇用延長期間に働きながら年金を繰り上げ受給し、ダブルインカムで現役時代並みの収入を得ることも十分可能だろう。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号