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東京駅周辺再開発バトル 三井が「三菱村」を挟み撃ちする構図も

日比谷・内幸町に「新三井村」の建設

 だが勢いに乗る三井はさらなる攻勢に出た。ミッドタウン日比谷にほど近く、帝国ホテルや東京電力本社、NTT日比谷ビルなどが建つ、日比谷から内幸町にかけての大型開発に乗り出したのだ。

「NTT都市開発や東京電力などと協力して事業者になり、敷地面積が7万平方メートルに達する広大なエリアを一体開発するのが目標です。日比谷・内幸町エリアを“新三井村”として、三菱村を挟み撃ちする地固めを着々と進めています」(三井グループ関係者)

 両者の「大開発戦争」について、不動産業界に詳しいジャーナリストの千葉利宏氏が指摘する。

「現在の日本の大手不動産で、街づくりなどの提案型ビジネスができるのは三井不動産と三菱地所だけです。三菱地所は丸の内などに優良不動産を多数保有していて守りが強い一方、三井不動産はもともとアグレッシブさが特徴。さらに現在の三井不動産は大手ゼネコンの鹿島建設と組んで、より一層攻めの提案を続けています」

 東京ミッドタウン日比谷の建設を担ったのは鹿島建設だった。また横浜市庁舎跡地開発のコンペでも三井不動産と鹿島建設はタッグを組み、三菱地所のグループを退けて受注している。三菱と三井が鎬を削るのは再開発だけでない。

「インバウンドの増加で成長が望めるホテル事業では、三井不動産が20年度までに客室数1万室を目標とするのに対し、三菱地所は2022年までに4100室を目標とし、鎬を削っています」(不動産業界関係者)

 デッドヒートを繰り広げる両社だが、主力のオフィスビル賃貸はともに好調が続き、2020年3月通期見通しでは、揃って過去最高の純利益をマークする見通しだ。これも激しい競争の賜物かもしれない。

※週刊ポスト2020年1月3・10日号

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