年末年始は、ネット通販サイトのセールを利用する人も多いだろう。しかし、そこには様々な落とし穴も潜んでいることを、あらためて認識しておきたい。その代表的な例が「二重価格」だ。
「二重価格」とは、実際に販売されていた実績のある価格よりも高い“定価”を設定すること。その結果、より高い値引率が表示されることとなる。たとえば、通常5000円で売られているものを3000円で販売した場合、実際の値引率は「40%引き」となるが、“定価”を1万円に設定しておけば「70%引き」と表示され、よりお得感が演出されるというわけだ。
この「二重価格」は景品表示法に抵触するものだが、ネット通販サイトではいまだにこういった例も少なくない。30代の会社員の女性Aさんは、自身の体験を明かす。
「かつて、とある大手通販サイトで、ワイヤレススピーカーが3000円くらいで売っていたんです。確か7割引きくらいの表示だったので、これは凄くお得だと思って買ったんですが、その後、たまたま行ったディスカウントショップに、同じ商品が定価5000円くらいの表示で売られていました。これは完全に“二重価格”にやられたな、と思いました」
ネット通販における「二重価格」について、ネット通販事情に詳しいフリーライターの小浦大生氏は、こう話す。
「輸入品は“正規の定価”というものがはっきりしないので、出品業者が設定している価格が高めということは、よくあるケースだと思います。電化製品はもちろん、たとえば限定スニーカーなど国内で流通していないものは、ショップによって販売価格に幅があることも多い。割引表示されていても元の価格がまちまちなので、本当にお得かどうかは難しいところです。後悔しないためには、ネットで検索するなどして、実際の相場をしっかり調べてから購入する方がいいでしょう」