買い物をするなら「現金」か、「キャッシュレス」か?──本誌・週刊ポストの読者アンケートでは【現金】71.4%、【キャッシュレス】27.4%だった(*「2020年日本の重要問題について意見をお伺いします」から集計。998人が回答。100%に満たない部分は無回答)。それぞれどのような理由なのか、見解の異なる2人の識者の意見を紹介しよう。
●宮本勝浩氏(関西大学名誉教授・経済学者・現金派)
経済学者の立場でキャッシュレスに「抵抗がある」というのは気が引けますが、“現金以外のお金”を使うことが不安で仕方がない。日常的な買い物は現金払いです。
知人は孫にスマホ決済の設定をしてもらったが、「コンビニで使えなかった」とボヤいていました。店員は外国の方で言葉が通じず、どんどんレジ待ち行列が長くなる。いたたまれず現金で支払ったそうです。
スマホを置き忘れて悪用される懸念もキャッシュレスを敬遠する一因です。現金なら落としても諦めがつきます。
「運営会社が倒産したら、チャージしたお金はどうなるのか」など不安も尽きない。社会的なコスト削減のためにキャッシュレス化の進行は必要なのでしょうが、やはり信頼できるのは現金なのです。