消費増税以降、急速に進行するキャッシュレス化。キャッシュレス決済に伴うポイント還元はお得に見えるが、実は危険が潜んでいるという。『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート2020』の著者で“カリスマ家計簿考案者”としても知られる細野真宏氏が、素朴な疑問に答えるかたちで解説する。
細野:気を付けないといけないのは、キャッシュレスが当たり前の感覚になると、お金が見えなくなるから、どんどんお金の使い方が荒くなっていくんだよ。消費税が10%に上がったけれど、それをあまり感じられていないのは、やっぱり、「キャッシュレス還元策」が関係していて、何となく「買い物をすると、得をしている気になってしまう」んだ。
コロ:あ、確かに、いつの間にかキャッシュレスで買い物をするのが楽しみになったりしてるかも…。
細野:この「キャッシュレス還元策」というのは、ちょっとしたゲーム性があるから、知らず知らずのうちにハマってしまう人は多いと思うよ。ただ、残念ながら、これは、2020年の6月末までの期間限定のイベントであって、7月になれば、基本的にはキャッシュレスで買っても、5%分が戻ってくるとかは無いんだよ。
コロ:そう考えると、今のキャッシュレスに慣れてきた状態のままだと怖いかも。「何となくカードで買ってしまう」という習慣から抜けられない気がしてきたよ…。
細野:まさに、2020年に一番怖いのは、その「カードでのお金の使い方」なんだ。これまで日本では、現金で買い物をする人が圧倒的に多かったわけだけれど、この場合は、財布で「お金が見える状態」にあったから、「あれ、いつの間にか、お金が減っているぞ」とか、自分自身の気付きがあったんだよね。ところが、カードばかりの買い物に慣れてしまうと、そういった感覚が麻痺してしまって、自己管理ができない状態になっていくんだよ。