マスコミ業界には様々な職種の人がかかわっている。その中のひとつが、テレビやラジオ番組の制作に携わる“放送作家”という存在だ。彼らはどんな仕事をしているのか。実際に放送作家として活躍する男性Aさん(放送作家歴15年目)に聞いた。
Aさんは、放送作家になる前はコンビを組んで芸人をやっていたという。
「芸人をやっているうちにだんだんと自分は舞台で表現をするより、人のネタを見て考えたり企画を考えたりすることの方が向いていると思い始め、放送作家になりました。
最初の頃はとある先輩作家の下について見習いだったのですが、ひたすら調べ物ばかりで結構しんどかったです。ロケ先の情報や街頭でのアンケート調査などいろいろやりました。徐々に企画案を考えさせてもらえるようになって、その先輩作家が担当している番組に企画書を提出させてもらえるようになりました。
5年目くらいで独立して番組に携わらせてもらえるようになり、企画も通るようになってきました。今では週に10~15本くらい企画書を書いていますが、ボツネタになることも結構多いです」(Aさん、以下同)
放送作家のもとには、まず制作側から、どんな感じの番組を作りたいかのリクエストが来る。そして、それに合った企画を考え、どんな人にやってもらいたいかなどのキャスティングも考える。逆にキャスティングを先に決めて、その人に何をさせたら面白くなるかで企画を考える場合もある。そのため、旬の人は押さえておかなければならない。
「とにかく作家は情報量が命ですね。流行り物は、必ず一度は自分でも試すようにしています。メイドカフェが流行り始めた頃に1人で行って、メイドと写真撮ったりして一通りオプションを試してみたり、最近ではタピオカ屋に並んで周りの人の会話を聞いたりなど、いろいろやっています」