「家事を依頼しているのは、時間を有効活用し、より仕事に集中するため。時間を割かなくてよくなったことで、生活の質も上がり、付加価値の高い仕事が出来るようになりました。家を荒らしていても、遅くとも1週間後には綺麗になっているという安心感があります。万が一、急な来客があるとしても、部屋の汚さを心配することもないというメリットもありますね」(Bさん)
共働き世帯で働く30代のフリーランスの女性・Cさんも、家事代行サービスを利用した経験を持つ。夫婦ともに、家事の時間が取れないほど仕事が忙しかった際に、水回りの掃除や洗濯物などの家事を頼んだ。とはいえ、家事を外注することへの抵抗もあったという。
「本来なら自分で行えることを他人に依頼するのは避けたいな、という思いもありました。でも、スタッフの方から『掃除が好きで、苦じゃないんです』と言ってもらえたので、気持ちが楽になりました。また、プロの仕事を間近に見られたことで、家事の参考にもなりましたね。ただ、初対面の人がプライベート空間に入ることに抵抗がある人には厳しいと思います」(Cさん)
一方、関心がありながらも利用に踏み切れないのが、30代の男性会社員・Dさんの家庭だ。
「やって欲しいのは、主にエアコンや排水溝など、普段なかなかできないような掃除ですが、正直なところ家事の対価って、料金が適正かどうかの判断がしにくい。結局、自分でやればいいことだと思ってしまって利用に踏み切れないでいますが、そうすると今度はなかなか掃除しない。お金を払って掃除をしてもらったほうが、結果的に早くきれいになるし、合理的ではあるのでしょうが……」(Dさん)
家事代行サービスのコスパをどう考えるかは人それぞれだろうが、家事は自分でやるのが当たり前、という認識も時代とともに変わりつつあるようだ。