今や動画は月額制のサブスクリプションモデルで、視聴の選択肢は大きく広がった。だがその分、何を見るかの取捨選択は難しくなった。そんななか、やはりネタバレを確認してから動画を選ぶ20代の女性会社員Bさんは、こう話す。
「サブスクにはオールジャンル系と専門系の2つに加入しています。正直、時間が足りないので、面白いものを厳選しなくてはいけない。SNSで感想を確認後、ネタバレありの記述まで探してから、どれを見るかを決定。以前は1話視聴後に見続けるかどうかを決めていたのですが、それだと時間が無駄な気がしてやめました。友人からもネタバレありで、おすすめの作品を教えてもらうこともあります。すると結構熱く語ってくれて、それだけで満足してしまうことも。見ていないのに見た気になれて、得したなと思います(笑)」(Bさん)
ネタバレ厳禁ともいえるミステリー作品も、「むしろ重要な意味を持つ」とBさんは言う。
「ミステリーは、初見だと細かいところを見逃して犯人探しも難しくて、イマイチ見た気がしません。話を追うだけで精一杯って感じです。だから、あらかじめ映画やドラマなら結末をチェックして、本なら巻末を見て犯人を把握してから、伏線や手がかりを視聴して答え合わせしていく方が、私にとっては見ごたえがあります」(Bさん)
ゲームでもYouTubeの実況動画などで、先にネタバレを楽しんでからプレイする人もいるという。20代の男性会社員・Cさんが語る。
「実況動画を見ているのは楽しいですね。感動シーンやラスボスの会話、物語の結末などを知ったうえで、“俺好み”だと判断して購入することも。最近は、あるVTuberによるギャルゲー実況プレイを見て、そこで紹介された攻略プロセス、キャラの魅力に感動しました。そのキャラで異なるエンドの攻略、違うキャラのルートもプレイしたいと思い購入。この選び方だとハズレを引かないですね」(Cさん)
かつてネタバレは嫌われる存在だったが、今や率先して確認する人たちもいる。消費者の動向も変化しつつあるようだ。