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変貌遂げるパチンコ店 「地域社会の居場所」としての役割も期待

これからのパチンコホールが生き残る道は?(イメージ)

これからのパチンコホールが生き残る道は?(イメージ)

 かつてのパチンコ店といえば、店内は台の音が騒々しく、タバコの煙が充満し、そして狭い……そんなイメージだった。ところが最近のパチンコ店はこれまでのイメージを覆す進化を遂げている。

 入手困難な希少ワインを収めたワインセラーや、セラミックボールで足を温めて足を濡らすことなく入ることができる「足湯」など、客が快適に過ごせる設備を備えた店舗が増えているのだ。最近の設備の傾向について、業界の動向に詳しい月刊アミューズメントジャパンの小川竜司編集長はこう話す。

「最近は遊技機周辺に力を入れている店が増えています。台と台の間のスペースを広くしたり、携帯や飲み物を置く場所を取ったり、透明のアクリルで台を仕切る『分煙ボード』が標準装備されており、煙だけでなく仕切りとして個人のスペースを確保できるようになっています。以前は狭い空間に台を詰め込むという形で店舗の収益性を重視していたのですが、近年では快適な空間といった付加価値で他店と差をつけ、集客性を上げようとしているのです」

 こうした変化のきっかけは、平成7(1995)年7月7日、7が3つ並ぶ日に華々しくオープンした、東京・渋谷の「マルハン渋谷店」(現在は閉店)だといわれている。

「マルハンは当時から業界を変えるという理念のもと、他業種以上のサービス水準に引き上げることを目指した。ワインセラーのような豪華設備はなかったものの、清潔でカラフルな内装や女性専用コーナー、ゆったりとしたカップルシートの設置という、収益性より快適に遊べる空間という、人と空間を大事にした店づくりに力を入れた。同業者が次々と視察に訪れ、店づくりの参考にしたと思われます」(小川氏)

 近年では顧客のニーズに応えるべく、ドラッグストア並みの品数を揃える景品コーナーを設置する店舗も増えている。

「日用品の充実で常連客を掴むなど、ホールは射幸性だけでなく他店との差別化を図っています。設備がすぐに大きな集客に繋がるわけではありませんが、周辺と同じ機種構成だった場合、店舗選びの際のポイントになる」(小川氏)

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