経済への影響を考えれば、2月10日あたりが、全国規模の生産制限、交通封鎖の限界であろう。中国政府としては、それまでに感染拡大を抑える目途を付けておきたいところだ。
金融当局、業界においても、その任務遂行に対する圧力が重くのしかかっている。結果としての市場の安定が、当局はもちろん、実質的には国有企業である証券、銀行などの金融機関にも求められる。
ただ、どんな市場安定化策を打ち出そうとも投資家心理を根本的に変えることは難しい。感染拡大が止まるまで、株式市場は不安定な状況が続きそうだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。