出玉性能が制限された「6号機」の時代に移行しつつあるパチスロ業界。5号機時代に比べて、大勝ちする可能性が低くなっているということもあり、ユーザーからの支持率は今ひとつという状況だ。パチスロに詳しいフリーライターの藤井夏樹氏が説明する。
「6号機は連続して得られる最大出玉が2400枚に制限されています。つまり、大当たり状態が続いても2400枚の出玉があった時点で、強制的に終了する仕様になっている。これは5.9号機と呼ばれる5号機末期に登場した機種でも採用されていた機能ですが、現在ホールで人気を得ている5号機の多くには、このような出玉制限はありません。
また、パチスロの新機種をホールで導入するには、業界団体で出玉試験を行い、それを通過する必要があるのですが、6号機の試験は5号機に比べてかなり厳しい。たとえば、5号機では、任意の300ゲーム間における獲得枚数は投入枚数に対し300%以下となっていたんですが、6号機では220%以下になっている。数字だけ見てもピンとこないかもしれませんが、6号機では短時間で得られる最大出玉がかなり少なくなっているということです。
その一方で6号機は、5号機に比べて一定金額内で回せるゲーム数が多くなっています。言い換えると“投資額が少なく抑えられる”という仕様。つまり、大きく負ける可能性は6号機のほうが低いと言えるでしょう。
ただ、実際に打ってみると、投資が少なく抑えられることの影響よりも、出玉性能が制限されたことの影響のほうが大きい印象です。特に6号機では、短時間で急激に出玉が増えないようにするため、“周期抽選”と呼ばれるタイプの機種が多い。
これは一定のゲーム数に到達したときにだけ大当たり状態に入る抽選が受けられるというもので、その周期に到達するまでは、ただただゲームを消化するだけという形になることも多い。ユーザーにしてみれば、当たる可能性が低いゲームを延々と消化するという感覚で、心理的にもネガティブに働くと思います。正直なところ、6号機に対して、単純に勝つ可能性が低くなった”と感じているユーザーが大半ではないでしょうか」