4号機から5号機に移行した頃
ユーザーにしてみれば、“負け戦”になることが多そうな6号機。このままの状態が続けば客離れも今以上に深刻になっていくかもしれない。しかし、将来的にはユーザーの支持を得られる6号機が出てくる可能性もあるという。藤井氏はこう話す。
「一撃数万枚クラスの“爆裂機”と呼ばれる過剰にギャンブル性が高い機種が人気となっていた4号機の時代から、出玉性能が抑えられた5号機の時代に移行した際も、今と同じような状況でした。4号機時代は、ボーナス連チャンを促す“ストック機能”や“1ゲームあたり10枚増”といった高性能なAT(アシストタイム)が可能だったんですが、5号機に移行した時点でそういった機能がすべて事実上NGになったんです。だから、初期の5号機はあまり人気がなく、多くのユーザーが過去の4号機を打っていました。
しかし、パチスロメーカーの企業努力もあってか、5号機のルールの中で成立できる様々な出玉システムが開発されました。その結果、ユーザーに支持される5号機の機種がどんどん生まれていった。また、同時に規制緩和もあり、出玉性能についても、4号機時代には及ばないものの、それなりのギャンブル性を持った機種が登場、それこそ“一撃1万枚”クラスであれば、現実的なものとなっていきました。
そういう意味では、現状ではまだまだユーザーに支持されていない6号機ですが、メーカーが試行錯誤する中で、魅力的な機種が登場する可能性はゼロではないと思います。5号機時代に突入したときも、ユーザーは相当絶望していましたが、結果的には射幸性が高すぎると判断されるまでに至った。もっともそれで出玉が規制されるに至ったので、必ずしもユーザーにとっていいことではないのですが、5号機がユーザーの需要を満たしていたのも事実です。6号機時代についても、同様な歴史が繰り返される可能性はあります」
ネックになるのは最大2400枚制限
いずれにしろ、メーカーの新機種開発力にかかっているといえそうな6号機の未来。ただ、楽観できるというわけではない。
「いちばんのネックになるのは、最大出玉2400枚という制限です。これこそが、上限出玉が設定されていなかった5号機時代との大きな違いです。ユーザーとしては、やはり“大勝ちしたい”という願望があるわけで、上限出玉が決まっていると大勝ちはできなくなる。最大出玉2400枚というデメリットを克服するためのアイデアが必要になるはずです。
その点では、単純に出玉性能、ギャンブル性ということだけでなく、液晶演出などを含めたゲーム性も含めて、いかにルール内でユーザーが楽しめる機種にしていくかということも重要になってきます。実際、4号機から5号機に移行した際も、液晶演出が派手な機種が多数登場しました。また、アニメやゲームなどといったすでに固定ファンがいるコンテンツを題材にすることで、原作のファンを取り込もうとする動きもありました。そういった形で、“出玉だけが魅力ではないパチスロ機”という方向に大きくシフトしていく可能性もあると思います」(藤井氏)
パチスロ業界が苦難の時代に直面しているのは事実。メーカーの実力が問われることとなる。