オリンピックイヤーは投資家にとってビッグチャンス。経済効果も大きく関連銘柄の株価上昇も期待できるが、一方で過去の大会では、五輪終了後に景気が落ち込んだケースも少なくない。今回の東京五輪後の日本株市場全体の動向も気になる。
前回(1964年)の東京五輪後も、景気が悪化して証券恐慌に陥る「昭和40年不況」に見舞われたが、直近の夏季5大会を見ると、2000年シドニー五輪が開催されたオーストラリア以外の4国で、五輪終了後に株価が低迷している。
マーケットアナリストでケイ・アセット代表の平野憲一郎氏はこう指摘する。
「今回も下がる可能性が濃厚と見るなら、日経平均が下がればその下げ幅の2倍の値動きをする仕組みの日経ダブルインバース上場投信(1357)というETF(上場投資信託)を買う手もあります。
ただ、中国やロシアの積極的な財政出動や、11月に控えるアメリカ大統領選などの要因を鑑みると、私は五輪後も株価が好調な局面であり続ける可能性は高いと見ています。
株価上昇を予想するなら、日経平均が上がればその2倍動く日経平均レバレッジ上場投信(1570)に乗る手もあると思います。いずれも日経平均が上がるか下がるかに賭ける点ではハイリスクと言えるので、長期保有よりもあくまで短期で機動的な運用を心がけたい」
銘柄選びと仕込み時に注意し、五輪景気の波に乗りたい。
※週刊ポスト2020年2月21日号